横浜市の給食 井上市議が指摘を行った公費6000円のハマ弁について

雑記帳

横浜市の給食代替制度がWeb上で話題になっていました。

中学給食がない横浜市の代替策「公費6000円弁当」の波紋 | inside Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

私は現在長期出張で海外に住んでいますが、住民票は横浜市にあります。市民税、県民税を横浜市&神奈川県に支払っておりますから、横浜市に関するニュースは気になってしまいます。

やはり税金は大事に使ってほしいですよね。

ハマ弁問題

何がおきたのか。

概して言えば以下のような話だ。

「横浜市には給食制度がない為、お弁当デリバリー制度を市として導入していた(通称:ハマ弁)。ネット等から注文することで、温かいお弁当が学校まで配達されてくるという制度だ。しかし、そのお弁当に単価6000円の市費負担が発生していた」

アホみたいな金額ですね。

そもそも気になるのは、

『横浜市はなぜハマ弁を導入したのか、なぜ導入しなければならなかったのか』

という点です。これがわからないことにはagreeもdisagreeも示せません。

軽く調べてみてみました。

ハマ弁とは何か

最近横浜市で導入された導入されたお弁当デリバリーを”ハマ弁”と呼称しているそうです。お弁当をネットで注文すると、学校までお弁当が配達されてくる仕組。

横浜型配達弁当 ハマ弁のご案内

公式サイトや公式動画によると、このお弁当の売りや特徴は以下といったところ。

  • ご飯と汁物が温かい状態
  • 栄養バランスが考えられた献立
  • 食材産地のWebサイトでの確認
  • ご飯の量が3種類から選べる、メインのおかずも2種類から選択できる

献立も毎日代わり、多くの栄養士が考えてくれたお弁当がデリバリーされてくる。注文はネット経由でも可能(FAX/銀行振込もできる)。

ふ~ん…。あれ、なんか良い感じに思えるけど…笑 コケおろそうと思ったのになんか割と良い感じがするんだけど…笑

しかし、注文は『クレカ決済:配達日の7日前』となっており、1週間前までに行う必要がある。急な発注には対応していないみたいですね。

ハマ弁が導入された背景

横浜市は家庭弁当持参を基本としており、給食制度を実施していません。これが前提知識となります。

そのような中、なぜハマ弁が導入されたのか。

平成26年に横浜市教育委員会が出している資料にまとまっていました。

横浜らしい中学校昼食のあり方 〓概要〓

これによると、横浜市の当時の現状は以下。

  • 「家庭弁当」持参を基本としている
  • 当日注文可能な「業者弁当」を全市立中学校に導入販売している

一方、問題点が以下。

  • 弁当作りが難しいケースがある
  • 栄養バランスにかけるケースがある
  • 学校ごとの選択の幅にばらつきがある
  • 冬場はお弁当が冷たい
  • 昼食の用意が困難な生徒がいる (貧困層かな?)

これの解決策としてハマ弁を導入した。

横浜市は、ハマ弁を以下位置づけのお弁当として導入したものと、私は同資料から読み取りました。

  • 基本のお弁当:「家庭弁当」
  • 事前に家庭弁当を持参できないことがわかっている場合:「ハマ弁」
  • 当日急にお弁当を持参できなくなった場合:「業者弁当」

文章を用いて説明すると、

『個々人のスタイル(栄養価や量や体調やアレルギー等)に合わせたお弁当を用意できる「家庭弁当」を基本としたい。しかし、給食制度がない横浜市では家庭弁当が用意できないことが予めわかっている場合・家庭に対しても対応できるようにしなければない。それが「ハマ弁」。ただし当日注文の場合等、急な対応を要する場合は「業者弁当」を利用する』

が横浜市の思いと理解しました。

このコンセプト自体は良く見えますね。

「お弁当が温かいこと」にやたらこだわっている点は気になりますけどね…笑 横浜市は家庭弁当を基本に据えるというスタンスを取りたいんですよね。であれば、「予め家庭弁当が用意できないとわかっている時に、家庭弁当の代替として注文できるお弁当」が満たすべき本質的な要件は温かさではないはずですから、強いこだわりを持つべきポイントじゃないと思うんですけどね。給食制度との対比を想定してしまうと、重要視したくなる気持ちは理解できますけど。

なぜ給食制度を導入しないのか?

横浜市は個々人に合わせた食事を提供すべきと考えているとアピっていますね。一方、ニュース記事にはもう一つコスト的な観点が記載されていました。

もっとも、給食を実施しないのは考え方というより、コストによるところが大きい。給食の実施には数十億円以上の初期投資が必要で、早期実現は困難という。給食より少ない投資で、かつすぐに始められるのがハマ弁だったのだ。

どちらの理由もあるのでしょうね。

ニュースをみて感じたこと

実際にワークするのか否かは置いておくと、横浜市のコンセプトそのものは好きです。繰り返しになりますが、具体的に記載すると

  • 基本は家庭のお弁当を持ってきて欲しいです。
  • しかし、家庭のお弁当を用意するのがそもそも難しいご家庭があるのもわかっています。そういったご家庭には、お弁当デリバリーを用意します。毎日献立は代わり、栄養バランスも考えられており、メインのおかずも2種類選べるし、量だって調整できます。
  • 突発的にお弁当が用意できなかった場合には、お弁当デリバリーは対応できません。でもその場合は全市立中学に導入している業者弁当販売を利用することができますよ。

というコンセプト。

しかし、ニュースで「喫食率の引き上げ」を目指すといっているあたり、コンセプトがぶれてるな思ってしまいます。

だって、「基本は家庭のお弁当を用意」して欲しいのでしょう?

仮に「基本はお弁当デリバリーを注文してほしい」という前提で導入した制度なのだとすれば、喫食率・注文数の増加を目指すという目標を掲げるのはわかりますよ。

でも、違うでしょ?

  • 基本はご家庭の弁当
  • 突発的に家庭弁当が用意できない時は業者弁当
    (ハマ弁は一週間前までに注文を行なう必要があるので、当日注文は無理)

という位置づけで、この2つを達成できない層がハマ弁利用者のターゲットなのよねぇ。

じゃぁもともと想定ターゲットにすべき母数は結構限られてるよね。注文数がある程度低くてもワークするような仕組みにしないとそもそも無理だよね。

というわけで、注文数をあげたいとか、喫緊率が低いから市費がかかったとか言っちゃってる時点で、正直、そもそものハマ弁の位置づけがぶれてまくってるようにしか思えないわけです。

本音をいえば、想定している以下ターゲットの内、

  • 家庭弁当が用意できない家庭
  • 家庭弁当が用意できるけど、「あ、ハマ弁いいな!」と思って注文するご家庭

前者じゃなくてほんとはこの後者を増やしたいんだろうね。喫緊率をあげるとか言ってるわけですから。

でもこの後者を増やさないとワークしないスキームを組んでしまうのは、市の施策としてはどうかと思いますけどね…。

給食制度のように半強制的にほぼ全員が注文するなら数を取れることを前提にしても良いですが、今回のハマ弁は自由選択。よほど魅力のあるお弁当や知名度がないと無理でしょう…。いかにして売り上げを上げるかを考えなければいけない。もはや民間事業でやる話しよね笑

家庭弁当の置き換えを目指したのは理解できますが、数を取らなきゃワークしないスキームにしたのはよくわからん。

 

ハマ弁は、

  • コストを抑えること
  • 給食制度がない以上は貧困層をケアすること

を達成しなければならないのはマストですね。温かいとかにこだわるのは二の次だと思いますよ、やけに温かいお弁当にこだわっているようなのですが…笑

  • 一定程度の安定的な注文数があれば、数を大量にとらなくてもワークするスキームにすること
  • 注文数を急増させられる程の魅力のあるお弁当、知名度、利便性を確保すること

のどちらかはやらないといけないですねぇ。

1食あたりで公費が6313

この件を質問した井上さくら市議のサイトをみてみた。

ハマ弁1食=8,300円 – 井上さくらのトキタマ日記

お弁当の単価は

  • 年間経費÷年間申し込み数=8,385円
  • 市費負担÷年間申し込み数=6,313円

さすがにありえませんね。計算間違ってるんやないやろか?と思っていたのですが、サイトによるとスポット費用は計算から除いているとのこと。

更に同市議の質問項目には「私の計算間違いでないか確認を」とも記載されていました。それにもかかわらず、横浜市教育長から主たる反論がなかったということは… まぁそういうことなんでしょう。

事業報告書に目を通した際にこの点に気づき指摘を行った井上市議はgreat jobですね。

 

これだけ話題になっているわけですから、横浜市は

  • 給食制度とのpros/cons (コストインパクト含)
  • ハマ弁のコンセプトの再説明
  • ハマ弁の単価が異常に高い要因、対応策

は改めて整理して具体的にしっかり説明すべきと思いますねぇ。

雑記帳

Posted by ころな