アナと雪の女王 Frozenで気になった英語表現と文法 その2
Frozen 4 Do you want to build a snowman?
ようやくDo you want to build a snowman?に入りました!
歌のシーンなので飛ばさずに全スクリプトを書いてみます。簡単なところは訳だけ。
アナと雪の女王 Frozen [4] Do you want to build a snow man?(雪だるまつくろう) 歌詞: アニメスクリプトで英語学習 Anime Script English
Young Anna編 1
Do you want to build a snowman?
「雪だるまつくろう?」
既に出てきた表現ですね。Do you wanna?は「~しない?(~しようよ)」というお誘い。
Come on, let’s go and play!
「ねぇ、遊びに行こうよ」
Come onは「ほら、行こうよ!」とか「ねぇ、行こうよ!」の「ねぇ」「ほら」の呼びかけ部分。
go and playも既にgo playという表現で出てますね(エルサがアナに"Go play by yourself"と言ったシーン)。go play, go and play, go to play。遊びに行くという意味。
I never see you anymore
「(昔と違って)この頃全然会ってないね」
この表現は、anymoreがnowadaysだと考えるとわかりやすいですね。nowadaysもanymoreも昔と今を対比するような表現ですね。
Come out the door
「ドアから出てきてよ」
It’s like you’ve gone away
「(エルサが)まるでどこか遠くへいっちゃったみたい」
We used to be best buddies
「(昔は)すごく仲良しだったのに」
used toは過去を回想したり、過去の習慣を表したりする助動詞(的なもの)。used toには「今はそうではないけど…」という含みが入ります。自分の意思が介在していないという点でwouldとは異なる表現。
ちなみに、疑問文にしたいときはDid we use to be best buddies?
否定文にしたいときはWe didn’t use to be best buddies.
というように代用動詞のdidを使いますね。
And now we’re not
「今は違うの」
前の歌から続いているandですね。And now we’re not best buddies.
I wish you would tell me why!
「どうしてなのか知りたいのになぁ」
仮定法ですね。実現できないとアナが思っている願望(教えてもらえないと思っている)だからwishを使用していますね。そのため、残念だなぁとか悲しいなぁと思う気持ちが含まれています。
そうではなくて、本当に単なる願望であればhopeを使用する(直接法で)。
Do you want to build a snowman?
「雪だるまつくろう?」
It doesn’t have to be a snowman…
「雪だるまじゃなくてもいいからさ…」
ここは、英語と日本語版アナ雪で意味が全然異なっている部分ですね。日本語版だと「大きなゆきだるま」を作ろうという歌詞になってますね。
この台詞、何気に大事な台詞だと私は思うんですよね~。アナは本当に雪だるまが作りたいわけじゃないんですよね。ただエルサと遊びたい、エルサに会いたいんですよね。それがこのセリフで一目でわかる。
Young Elsa: Go away, Anna.
「あっち行ってよ、アナ」
Young Anna: Okay, bye…
泣いちゃいそう… (´;ω;`)
パパとエルサ編 1
King: The gloves will help. See? Conceal it.
Young Elsa: Don’t feel it.
Young Elsa and King: Don’t let it show.
「手袋が助けてくれる(力を隠すのに役に立つ)。ほらね?力を隠しなさい」
「力を感じちゃダメ」
「力を見せちゃダメ」
helpは自動詞ですね。自動詞で使われるときは「役に立つ」という日本語訳を当てることが多い。
itはエルサの中にある力のことですね(一口で"力"と表現してしまうのは安直かもしれませんが)。
このシーンは、物語上、後の"Let it go"ともつながるとても重要なシーン(ここも、日本語版だと少しつながりがわかりにくくなってしまっている感はあります)。
Young Anna編 2
Do you want to build a snowman?
「雪だるまつくろう?」
Or ride our bike around the halls?
「それか、廊下を自転車で走り回ろう?」
I think some company is overdue
「一緒に遊ぶお友達が必要だと思うの(=お友達が欲しいよ)。寂しいもん」
お恥ずかしながら、最初聞いたときに意味が全くつかめませんでした。
そしてYahoo Answersでググりました(爆
【companyの意味】
これは簡単ですね。「誰かといること」ですね。「遊び仲間」「友人」「友達」「同僚」「連れ」とか「付き合い」とか日本語では色々と訳出されます。companionshipのことですね。
不可算名詞として使用されている(複数形じゃない)ので、"会社"という意味でないことはすぐピンとこないといけませぬ。
【overdueの意味】
↑↑の回答で意味がわかった。
図書館で本を借りたり、誰かにお金を払わなきゃいけないような時は、"due"なわけですね。
そしてdueの期日がすぎても、まだお金を払っていない(本を返していない)ような時は、"overdue"となるわけです。
そう考えると、このoverdueという状態は、"you should do it!!"というニュアンスが含まれている状態であることがわかるわけです(you should do it!! = ココでは、本を返すべき、お金を返すべき)。
「本来はそうすべきなんだけど、そのあるべき状態になっていないこと」を意味する。
このような思考回路で、overdueで「something hasn’t happened in a long time and we really want it」(=長いこと起きてないけど、とてもしたいこと、ほしいこと)を表現することがたまにあるらしい。
「本来はそうすべき(そうあるべき)なんだけど、そのあるべき状態になっていない。だけど、本当はそうしたい(あるいはそうする必要がある)」ことを表現できる。
ここで歌に戻ると、Some company is overdue。
companyというのは誰かと一緒にいること。
「誰かと一緒にいるべきなのに、その状態になっていない。でも、本当は誰かと一緒にいたい」ということ意味しているわけですね。
端的に言ってしまうと、お友達が欲しい、寂しい、と言っているわけです。
Yahoo Answersとか見てると意見は一致しているので、ネイティブには当たり前に理解できる表現みたいですね。ノンネイティブにはこの表現はかなり難しいですね…。(日本のサイトが色々とヒットしましたが、この意味でとらえられてるサイトはほぼなかった)。
ちなみにアナ雪の日本語版では「ずっとひとりでいると」と訳されていました。さすがプロの意訳ですね…。
I’ve started talking to
「だから私はおしゃべりを始めちゃったの」
The pictures on the walls!
「壁の色んな絵にね」
picturesもwallsも複数形。アナのお屋敷は広い。いっぱい壁があって、いっぱい絵があるんでしょう。
絵と話すようになっちゃったくらい寂しいんだよ、というアナの気持ちが入ったセリフですね。
Hang in there, Joan.
「頑張れ!ジャンヌ!」
hang in thereは「頑張れ」ですが、単なる応援というよりは、くじけそうになっている人とかを励ますニュアンスが含まれます(「hang in there」の意味と使い方 | 英語 with Luke)。
ジャンヌは、ジャンヌダルクのことですね。ディズニープリンセスの映画で女性の英雄が出てくるのは意味がありそうですよね。私は、ジャンヌ=アナとというディズニー側の投影が表れてるんじゃないかと勝手に思っています。このシーンは自分自身への励まし(アナは本当はくじけそうになっている。そんな自分に、頑張れ!と言っている)な気がします。
It gets a little lonely
「ちょっと寂しなってきちゃった」
All these empty rooms
「誰もいない部屋ばかり」
Just watching the hours tick by…
「ただ時間がチクタク過ぎていくのを見ているだけなの」
watch + O + C
パパとエルサ編 2
Elsa: I’m scared. It’s getting stronger!
「怖いの、どんどん強くなってる!」
King: Getting upset only makes it worse. Calm down.
「取り乱すとかえってよくない、落ち着くんだ」
Getting upsetが名詞ですね(名詞句っていうんでしたっけ?)。あとはmake + O + Cですね。直訳すると「取り乱すことは、状況(it)を更に悪くするだけだ」ですね。
Teen Elsa: No! Don’t touch me. Please. I don’t wanna hurt you.
「いや!触らないで。おねがい。ケガさせたくないの」
Anna: See you in two weeks.
「また、二週間後に会おうね」
See youはお別れの時に「また会おうね」というセリフですね。
in 期間で「(今から)~後に」という意味。in two weeks from now onとかin two weeks’ timeという言い方もしますね。ちなみに(今から)に太字を入れたのは、「特定の出来事が発生した時からみて、~後に」という時にはafterを使うからですね。
Elsa: Do you have to go?
「行かなきゃダメなの?」
主語はyou(パパ、ママ)です。
King: You’ll be fine, Elsa.
「大丈夫だよ、エルサ」
主語はyou(エルサ)です。
Teen Anna編
大人の声になってる!!
Anna: Elsa, please I know you’re in there
「エルサ、おねがい、そこにいるんでしょう?」
in thereは別にthereだけでもいいとは思いますが、お部屋の"中"にエルサがいるので、わざわざin thereと言っている。in thereはセットでよく使う表現ですよね。
とはいえ場所を表すときに副詞を重ねるのは特に珍しい表現ではないですね。例えば"out in the graden"とかは、最初にout(お外)ってバクッとしたイメージを伝えてからin the graden(お庭)っていう詳細な場所を伝えている。here in Tokyo(ここ東京で)も似たようなもんですね。
in thereも、inって場所をバクッといって、thereっていうもうちょい近い場所を指してるだけですね。
People are asking where you’ve been
「お姉ちゃんどこにいるのって、みんなに聞かれてるんだよ」
現在進行形なので、色んな人に何回か聞かれていたんじゃないかな?(繰り返しの意味が入った現在進行形かなと受け取ってしまいました)。
アナの服装からして葬儀の帰りでしょう。父/母の葬儀にいないお姉ちゃんに気づいて、アナに「お姉ちゃんはどこにいるの?」と皆が聞いてきた。
are always asking~だと「いつも聞かれてばかりいる」という(Peopleに対する)苛立ちを明らかに含めた表現になりますが、葬儀の時の話ですからalwaysを付けるのは明らかにおかしいですね。
この副詞(always)を取ってもうちょいそのうんざり感やいつも感を弱めたバージョンだと思います。現在進行形なので臨場感が出ます。
They say, “have courage” and I’m trying to
「皆が"元気出して"っていうし、そう振舞おうとしてるの」
I’m right out here for you
「扉のすぐ外のここにいるよ」
これもさっきと同じように場所の副詞を重ねてるだけですね。outで外(部屋の外)っていうイメージをまずバクッとお伝えしている。rightは、扉の「すぐ」外という、強調の為の表現。
Just let me in
「ねぇ、中に入れて」
命令形の口調を弱めるjust。
We only have each other
「もう二人だけしかいないんだよ」
It’s just you and me
「お姉ちゃんと私だけ」
What are we gonna do?
「これから私たち、どうすればいいの?」
Do you want to build a snowman?
「雪だるまつくろう?」
言うまでもなく、本気で雪だるま遊びをしたいわけありませんね。エルサ、ドアから出てきて、会いたい。という意味ですね。
いつみてもアラサーの涙腺が崩壊するんだけど…
英語勉強の為にまたアナ雪見てたら、またこのシーンで泣いちゃったよね…(笑
アラサーのおっさんがディズニー見て泣いちゃいけませんよね…(;´∀`)
トロールがアナの記憶を取った時、"But don’t worry, I’ll leave the fun. She will be okay(でも心配しないでください、楽しい記憶は残します。これで(アナ)は大丈夫です")と言ったわけですけど、楽しかった記憶だけ残されることも、辛いことですよね。
「雪だるまつくろう?」は「エルサ、会いたいよ」というアナの気持ちを歌った歌ですね。視聴者はエルサがアナに会えない理由を知っているけど、アナはその理由を知らないわけです(だから髪が一部白いは生まれつきだと思っている)。
でもアナには、エルサと一緒に雪だるまを作った楽しい記憶が残っている(だからアナはオラフのことも覚えている)。そんな楽しかった記憶はあるのに、突然理由もわからず10年間もの間拒絶され続け、広いお屋敷の中で孤独を感じる。
この歌で「アナは自己中」だと感じる日本人が多いらしいのですが、英語で聞くと、アナは幼少期の頃からずっとエルサを受け入れていることがわかりますね(能力を覚えていた時は、その能力についても受け入れていた)。
でも、エルサはエルサでそれ以上に可哀想ですね。
エルサが間奏で"I’m scared"と言っていますが、トロールは"Fear will be your enemy"と言っていたんですよね。精神状態が完全に悪い方向に向かっているわけです。
結果的に、「力を隠さなきゃいけない」と幼少期から信じ込んでしまったことはエルサにとって逆効果だったわけですね。そして、人から遠ざけるということも完全に裏目に出ていた。
ここから後のLet it goにつながるわけですね。
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