大和投信から登場したiFree 8資産バランスとiFree 新興国株式インデックス(FTSE RAFIエマージングインデックス)に注目

2016年10月9日

大和投信からiFreeという低コストインデックスファンドシリーズが12本発表されました。

なんとこの12本全てが、各々のアセットクラスにおいて信託報酬最安のファンドとなっています。

  • iFree ⽇経225インデックス 0.2052%(税抜 0.19%)
  • iFree NYダウ・インデックス 0.243%(税抜 0.225%)
  • iFree TOPIXインデックス 0.2052%(税抜 0.19%)
  • iFree 外国債券インデックス 0.1944%(税抜 0.18%)
  • iFree JPX⽇経400インデックス 0.2214%(税抜 0.205%)
  • iFree 外国REITインデックス 0.3348%(税抜 0.31%)
  • iFree ⽇本債券インデックス 0.1512%(税抜 0.14%)
  • iFree 新興国株式インデックス 0.3672%(税抜 0.34%)
  • iFree J-REITインデックス 0.3132%(税抜 0.29%)
  • iFree 新興国債券インデックス 0.2376%(税抜 0.22%)
  • iFree 外国株式インデックス 0.2268%(税抜 0.21%)
  • iFree 8資産バランス 0.2484%(税抜 0.23%)

しかし、三井住友DCの一般開放や、ニッセイの<購入・換金手数料なし>シリーズや、DIAMのたわらノーロードシリーズ等の登場により、既に個人投資家の投資環境は充実してきています。

その為、今の既存ファンドを考えるとインパクトが小さいものも多いのですが、『iFree 新興国株式インデックス』と『iFree 8資産バランス』の2ファンドはとても面白いと思います。

iFree 新興国株式インデックス

  • 信託報酬:税抜0.34%
  • マザーファンド:ダイワ新興国株式ファンダメンタル・インデックス・マザーファンド
  • インデックス:FTSE RAFI エマージング・インデックス

非常に特徴的なファンドです。

一般的に、新興国株式クラスのインデックスとしては、MSCI社のMSCIエマージング・マーケット・インデックスかFTSE社のFTSEエマージング・インデックスが採用されています。要するに、時価総額加重平均によるインデックスが使用されているわけです。

一方でこのファンドが採用しているインデックスはFTSE RAFIエマージングといって、RAFI社のファンダメンタル・インデックスを使用しています。まさかのスマートベータ指数で登場しました。

そして更に驚くことに、新興国株式クラスの信託報酬最安値であるたわらノーロードの0.495%(税抜)を大きく下回る信託報酬となりました。時価総額加重平均の指数より、スマートベータ指数の方がコストが低いって何事でしょうか…笑

 

但し、純資産規模も少ないですし、管理コストの問題(Vanguard)を考えると、実質コストがどの程度になるのか気になるところです。

FTSE RAFI エマージング インデックスについて

この指数に対する理解は浅いのですが、ファンダメンタル・インデックスは時価総額の代替としてEWI(Equal Weighted Index)と共に注目されている指標として有名ですね(特にRAFI社のものは有名)。

私は未読ですがインデックスの考案者による本なんかも出ています。

では、RAFI社はどのファンダメンタルズを重視しているのか。

FTSE RAFI Indexes Methodology overviewに、以下のような記載があります。

Fundamental Factors

Sales = company sales averaged over the prior five years.

Cash Flow = company cash flow averaged over the prior five years, defined as Operating Income plus Depreciation and Amortization.

Book Value = company book value at the review date.

Dividend = total dividend distributions averaged over the last five years, including both special and regular dividends paid in cash.

Cash Flowは、営業利益(Operating Income)に有形償却(Depreciation)と無形償却(Amortization)を加えたと書いているので、実質的にEBITDAのことを指していますね。

要するに、以下4つのファンダメンタル要素を使用しているわけです。

  • 直近5年間の売上高平均
  • 直近5年間のEBITDA
  • 直前4半期(at the review date)の株主資本
  • 直近5年間の総配当額

何故この4つの指標を使うのかについて、基本的な考え方は以下のように記載されていました。

4つのファンダメンタル要素は、パフォーマンス追求のためではなく、よりよいポートフォリオ構築のために選んだものです。

一般的に優良なファンダメンタル要素は、株価と相関関係を持たずに企業の経済的規模を表します。

http://ftserussell.jp/product/pdf/rafi.pdf

論文も本も読んでいないので推測でしかありませんが、読み取るべきメッセージは“パフォーマンス追求のためではなく”と”株価と相関関係を持たずに企業の経済的規模を表します”という点でしょうね。要するに、企業の価値を時価総額で図るのではなく、経済的規模(上の4つの指標)で測ったということです。

 

時価総額(株価)という概念は人気投票によって値が決まる為、ITバブルに見られたように短期で急激に乱高下をします。実際の企業価値よりも高い値付けがされてしまうわけです。そういった単なる人気投票による乱高下を排除して企業の値付けをしたいという発想が、”株価と相関関係を持たずに”という文章に表れているように思います。

 

又、パフォーマンス追求を目的にする場合は、”一株あたり”の概念を通常は見ていきたくなりますよね。それを使用せず、”売上高平均”や”総配当額”といった総額を使用しているんですね。この点がまさに”企業の経済規模を表します”という文章に表れていますね。

例えば、配当に関する要素を”配当利回り”ではなく”総配当額”としたり、株主資本についてもPBRや自己資本比率等の”比”ではなく、株主資本の額自体を採用していますよね。

 

ただし、当然高配当銘柄が”時価総額加重平均と比して”多く含まれるはずですし、バリュー株投資の側面は当然出てくるでしょうけどね!

パフォーマンス

以前どこかの記事で、ファンダメンタル・インデックスのパフォーマンスは良いと聞きかじった覚えがあるのですが、RAFIのサイトのレポートを読む限りでは、直近5年間のパフォーマンスは時価総額荷重平均を下回ってしまっていました。

rafi

 

しかし、国別構成比をみてみるとブラジルの比率が多めでしたので、時価総額加重平均と比してその変動をモロに受けてしまった気もしますね。ブラジルの株価は最悪でしたからね。

ファンダメンタル・インデックスの思想からすればそういった要因も排除したいものと思いますが、実際のところカントリーリスク要因を除外するのは難しかったのでしょう。

過去数十年のデータではアウトパフォームしているわけであり、この直近5年をもってファンダメンタルズの選定がダメであるとは言えないと私は思いますね。

時価総額加重平均の代替指数として十分面白いです。

iFree 8資産バランス

balance

何故このファンドが気になったのかというと、コストが非常に安い為です。信託報酬0.23%(税抜)。現在、8資産バランスで人気のファンドはeMAXISだと思いますが、そちらは信託報酬0.50%(税抜)ですから約半分。

既に投資している分についてはスイッチングコストを考える必要があるかと思いますが、今後の投資分についてはiFreeに乗り換える人がかなり出てくるのではないでしょうか。

 

更に言えば、市場に出ているファンドを自身で組み合わせるよりも、これ1本買ったほうが信託報酬が安くなります。

こうなってくると、今までバランスファンドを購入していなかった人でも購入対象となり得ますね。

すなわち、これをコアファンドとし、足りない部分を自身で肉付けするというコアサテライト運用で活用するわけです。

 

ただし、iFree 8資産バランスに組み込まれている新興国株式のインデックスがFTSE RAFIである点は通常と異なるので要注意。

一方で、バランスファンドを買うような方は安定的な運用を望むはずですから、時価総額による相場加熱の影響を排除したいというファンダメンタル・インデックスの思想そのものを受け入れられる人は案外多い気もしています。

私はどうするのか

正直、どのファンドも投資対象です(節操ないな私…w)。

TOPIXについては信託報酬が大分下がりましたし、保有ファンドが丁度含み損を抱えておりますので、これを機にiFreeへスイッチングしてしまおうと思っています。純資産額も申し分ありませんしね。

先進国株式やREIT等についても変更を検討したいところですが、私が現在積み立てを行っているファンドも十分安い為、焦って変えなければならないほどのインパクトではありません。浮気を繰り返すと良いファンドも育ちませんので、購入しているファンドの純資産推移等々、しばらく様子をみて検討したいと思います。

 

さて、問題の新興国株式と8資産バランスについてですが、ヒジョーに悩んでいます。最近は投資に頭を使う時間も取れなくなってきましたし、リバランスを考えることすら面倒くさくなってきましたので、8資産バランスはコアサテライト運用のコアとして割と使用を検討したい…。新興国株式クラスについても現在積み立てている額を割ってiFreeに一部回してもいいかなと思っています。

しかし、新興国株式については純資産の小ささと実質コストがどの程度になるのかが気になりますね。インデックスがFTSE RAFIであったことを嘆く声がWeb界隈では散見されますが、私的にはこの指数そのものは特に気になりません。非常に面白いインデックスだと思っています。実質コスト増についても、EWI程は増加しないでしょうし、そもそも信託報酬自体が安いわけですしね。

しかし、新興国株式クラスについてはやはりまだまだコストの下げ余地がありそうですので、時価総額加重平均を採用した新興国株式がどのように動くのか少し見守りたい気持ちもあるw

いずれにせよ、やはり市場の反応次第なんですよね。証券会社で買えるようになってから少し様子を見守りたいと思っています。

優柔だな~私は。


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