東洋経済の稼いだ会社ランキングって何故FCFを使ってるんだ?

金融ニュース雑談

ボーナス支給時期になると、平均年収ランキングだの、平均賞与ランキングだのといった企業ランキングをつける下世話な記事が多くなりますね。

Smart Newsをみていたら東洋経済の「この5年間で稼いだ会社」ランキングがトップニュースに入っていました。

http://toyokeizai.net/articles/-/123273
http://toyokeizai.net/articles/-/123273

皆さんがこの記事を読んでどう思ったのかわかりませんが、私は「稼いだ会社ランキングを知りたいのに、なぜFCFで横比較をしているんだ?」と疑問を抱きました。右に経常利益を書いているんだから、単純にそちらで比較すればいいのに。。

ライターさんを調べてみると京大経済から入社して四季報Proの編集をしている方みたいなので私よりはるかに知識をお持ちだとは思うのですが…。

タイトルには「この5年でガッツリ稼いだ会社ランキング」と書いている一方で、記事には「積極的な投資をしていない会社が上位に」と書いてあるので、わざとこのタイトルをつけているんですよね。

 

しかし、ライターさん自身混乱しているようにも思うのですが、

ほかにも、3位には東海旅客鉄道(JR東海)がランクインした。新日鉄住金やキヤノンなども上位に食い込んでいるこうした成熟産業の大企業が上位を占めている理由は、大規模な設備投資がすでに終わっている要素が大きい。フリーCFは設備投資が増えれば減ってしまうが、成熟産業の場合、既存設備の改修で十分に利益を上げることができるためだ。

と書いた直後に

そこで企業買収や新規事業投資による成長加速が経営のテーマとして浮上する。

キヤノンは医療機器大手の東芝メディカルシステムズを、新日鉄住金は同業の日新製鋼を買収するなど、それぞれM&Aに回している。JR東海も2014年12月からリニア新幹線の建設に着手。これまで稼いできたキャッシュフローを原資に、将来の成長を担う大型投資を加速させている

と書いていて、投資CFが増えてんだか減ってんだかよくわからない感じ。

 

企業価値向上のためにFCFを生み出すことが重要であるのは議論の余地もないけれど、こと企業の横比較をする指標としては適切ではないと個人的には思うんですよね…。

FCFを使いたいなら1つの企業の時系列を追ったほうがわかることが多いとおもうです。

設備投資やM&Aのタイミングは会社固有に生ずる為、バラつくのが当然。そのため、横比較する指標としては使いにくい。その意味では平均をとっているのは良いと思いますが…。

さらには、投資の影響でFCFが小さくなったとしても、規模のでかい会社であれば少しの黒で上位にランクすることになる。だから、FCFが大きいように見えて、その企業にとってはそのFCF額は小さいものだったりもする。

だから、1社1社FCFの推移を追うとストーリーが見えてくるんですが、企業のFCF横比較を見せられてもそこから言えることって少ないと思うんですよね。

 

FCFのランキングを出すなら、せめて営業CFで出した黒なのか、投資CFで出した黒なのか程度には言及してもらいたいところ。記事では「積極的な投資をしていない会社が上位に」とありますが、大規模な資産売却をした企業なんかも上位に名を連ねる可能性がありますし…。

又、個人的には「経営者は、潤沢なFCFを何に使うと言及しているのか」に興味があります。ただ、横比較なので、記事に記載されているFCFが本当にその会社にとって潤沢な金額なのかどうかはわからないんですけどね~…。

なぜこのようなFCFになったのか個別の企業の事情が勘案できなければ、この指標を出す意味があまりないよなぁ…という感想。